「現場大賞」の番外編、「心のベストテン」です。
何においても「技術」と「心」が必要であるならば、現場直球ではない、片隅で感じた小さな感動の積み重ねが、「心」を作っていくのかもしれません。ここには書ききれない小さな感動はまだまだいっぱいあるのですが。

第一位
「竹垣は朽ちていくからいい。」
お客さまのお母様の言葉です。即決最優秀賞です。
だんだん色が褪せて風合いが出てくる竹垣を、ずっと楽しんでもらいたくて丁寧に作りました。
建仁寺垣を作っている間、道を行く人たちがいろいろ声をかけてくださいました。竹垣に興味を持ってくださるのは大抵年配の方ですが、ある日男子高校生が数人通りがかり、「すげえ~、かっこいい~、感動するなあ」と話しているのが聞こえました。
若い人がこういう手仕事をよいと思ってくれるのは本当に嬉しく、大げさではなくこの仕事をやっていてよかったなあと思える瞬間でした。
この庭ができてから半年余りでお母様が亡くなられました。自然を愛で、時間とともに増す味わいを大切にする心が、この竹垣を介してすこしでも伝わっていけばと、ひそかに願うのでした。

第二位
数年前に作ったお庭に、木を追加しました。
当時植えた植物はずいぶん大きくなり、何人もの人を迎えた玄関の石もすっかり落ち着いた雰囲気になってきました。
こまめに芝を刈ったあとや、季節の草花を植え足したあとや、お子さんが石を並べて遊んだあとや。
作った庭が使われて手入れをされて、愛されているのを見るのは、なによりも嬉しいことです。

第三位
石の表情をみて、気勢をみて、重さやバランスをみて、適格に判断していく。石を据えるのは、センスと勘と経験です。私から見ると「特殊能力」です(笑)。
ところで、この慣れ親しんだ緑のユニックとの仕事は、これが最後となりました(新しいユニックが仲間入りしました)。
ミドリちゃんありがとう。

第四位
超旗竿敷地の一番奥の玄関までずず~っとまっすぐ石敷きです。雨が降ると水たまりでぬかるんで、乾くとデコボコで、歩きにくいこの長いアプローチを、なぜかなんとなく10年間我慢されていたとか(笑)。そういうラフな感じも好きですが^^、やっぱり格段に歩きやすくなりました。
「歩きやす~い!!」明るくおおらかなご家族の笑顔と、ずっと見守ってくれた赤いチョロQに、上位ランクインです。

第五位
東京の閑静な住宅地。風致地区の緑化面積の決まりがあります。小さなスペースを有効に緑化するために、外構プランから悩みました。工務店の方にもご苦労をおかけし、お客様にもいろいろ助けていただきました。両隣も建築中、駐車スペースも譲り合い、いろんな立場の方たちとの協力によって完成しました。
見えないところのコミュニケーションと相互理解が気持ちいい仕上がりにつながります。改めて。

第六位
春から大活躍のユニック、頼もしい限りです。
もうこの子がいないとどうしたらいいかわかりません(笑)
クズだらけだった広大な敷地、草刈りお疲れ様でした!!

第七位
いつもそばで助けてくれる人たちへの感謝の気持ちはなかなか伝えられません。
こんなところでこっそり「ありがとう」です。

第八位
見上げるこの100段階段のてっぺんに、その現場はありました。
石・砕石・砂・セメント、みんなでバケツリレーで上げました。疲労と感謝しかありません(笑)。
作業写真はあまりに衝撃的なので掲載不可です(爆)。

第九位
ちょろちょろ残っていたいろんなレンガを投入しました。
適当にやっているようで適当じゃない、一番むずかしいのかな、こういうの。
「楽しさ」を作るって難しい。
「楽しさ」を作る、いろんなアプローチを考えてみたい。

第十位
お庭作って7~8年になります。
毎年手入れをさせていただいて、ついにボロボロになった小さな竹垣を作り替えました。こんな小さな四ツ目垣でも、新しくなるとお庭全体がしゃきっとして、清々しい気分になります。大切にしてもらっている、幸せなお庭です。

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