フェニックスグラス

初めてハワイ島に来た。
ビッグアイランドの西海岸、コナ空港に着陸。
第一印象は、「何もない」。

真っ黒な溶岩が延々と広がり、その上にどこまでも空が続いている。空港の建物周りに植えられた木はどうやって植えたのだろうか、地面はものすごく硬い溶岩の塊である。明るい光と観光客の陽気な声が異様に感じられるほどの、生気のない大地であった。
宿泊地まで30分ほどの車窓からの景色も、ずっと「溶岩と空」だった。その中の唯一の生命(それは大げさ^^)は、一見ススキのような植物、その名もフェニックスグラス(不死鳥の草)。噴火後の死の大地からまず生えてくるのがこの草だという。

宿泊地は完全に人間が作ったリゾート地で、樹木の生い茂る青々としたオアシスがこの溶岩大地の中に唐突に現れる。その周りでどうしようもなく広がる溶岩の上にへばりつくようにフェニックスグラスがひろがっている。
こんなところにこんな緑の楽園を作ってしまう人間と、死んでも死んでも蘇るフェニックスグラス。
何もないからこそ感じる「生気」と「強さ」があった。