リュウゼツラン

江ノ島のサムエル・コッキング苑は、ちょうどチューリップ祭りで、訪れる人々の関心はカラフルなチューリップに向けられていた。
しかし今日の私のヒーローは、このアガベくんであった。

アガベ。通称「竜舌蘭」。なにしろ竜の舌である。庭木とかグリーンなどと呼べるような甘いものではない。
何枚ものベロを四方八方に伸ばしてぐんぐん巨大化したアガベには、すくんでしまうほどの迫力と妖しさがある。そして化石のようなドライなルックス。うねうねとしたトゲだらけの肉厚の葉は、傷跡や裂け目も硬化してびくともしない。どう見ても「悪者」の風貌である。
それに加えて別名「センチュリープラント」、100年(実際は30〜40年?)に一度だけ10mにもなる花茎を伸ばして開花、その後株は枯死するという壮絶な一生である。付き合うほうにもそれなりの覚悟がいる。
近寄ってはいけないと思いつつ、その魔力に惹き付けられてしまう、ヤバい奴なのである。